研究課題/領域番号 |
16K02358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉森 佳奈子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10302829)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 『源氏物語』 / 『河海抄』 / 年代記類 / 重宝記類 / 『一代要記』 / 『帝王編年記』 / 「日本紀」 / 『三教指帰』 / 文献学 / 私撰国史 / 六国史 / 重宝記 / ジェンダーバイアス / 『花鳥余情』 / 年代記 / 『河海抄類字』 / 『大鏡』 / 『二中歴』 / 本居宣長 |
研究成果の概要 |
『源氏物語』全巻注釈の早い例である『河海抄』に注目し、とくに、そこに引用される歴史記述に注目、虚構の物語の注釈に史実が大量に引用されることのもつ意味を問い、六国史以後、正史をもたなかった日本で、歴史認識はどのように生成されたかという問題に『河海抄』が深くかかわっていることについて考察した。さらに、その成果をふまえ、従来の研究では、善本がないと見なされてきた、『河海抄』の複雑な異文状況を解きあかすひとつの糸口が、歴史認識生成の現場としての『河海抄』という問題設定にあることを具体的に提示、本文を見きわめる斬新な文献学的方法を学会誌等への論文執筆によって公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近時、『源氏物語』注釈書類は海外でも注目を集め始めている。日本の文化的な資産がグローバル化された世界の学問レベルで注目を集めようとするときに、入念な基礎研究に支えられた独創的な視座を示すことは重要な責務であり、本研究は、そうした貢献を行ってゆくことを目ざして企図されたもので、充分な成果をあげたと言える。 また、そのような昨今の国際的な学問上の要求から、包括的な視座による『河海抄』研究に基づく本文の翻刻、公表は急務であり、現状に貢献すべく、研究の総括として、『河海抄』本文刊行に向けての文献学的調査も精力的に行い、本課題の研究は、将来に向けての研究の一段階としての意義も担い得た。
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