研究課題/領域番号 |
16K02369
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中尾 健一郎 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (30511662)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 梅花無尽蔵 / 杏雨書屋本 / 板坂卜斎 / 徳川家康 / 紀州徳川家 / 旧鈔本 / 尾張徳川家御文庫目録 / 松ヶ岡文庫本 / 和学講談所 / 温古堂文庫 / 勝海舟 / 府城沿革 / 太田道灌 / 早稲田大学図書館蔵『梅花無尽蔵』 / 黒川真頼旧蔵書 / 国書刊行会原稿 / 松井簡治 / 『江戸名所図会』 / 斎藤県麿 / 榊原芳野旧蔵書 / 肥前島原松平文庫 / 梅花無尽蔵抜書 / 蓬左文庫本 / 続群書類従本 / 万里集九 / 伝本研究 / 五山文学 / 漢文学 |
研究成果の概要 |
室町時代後期の還俗僧・万里集九は、唐詩の選集である『三体詩』や北宋の蘇軾及び黄庭堅の詩の注釈者として知られる。その詩文集『梅花無尽蔵』は紀行詩を多く含み、文学方面のみならず、歴史資料としても甚だ重要である。しかるに続群書類従本が刊行されるまで活字に起こされておらず、しかも複数ある写本についても十分に調査されているわけではなかった。 本研究では、主に先行研究で殆どふれられていなかった七巻本を調査し、その伝本系統を明らかにすることを試みた。また、『梅花無尽蔵』と江戸時代の学術との関係についても考察し、『江戸名所図会』が基づいた写本を特定するなど、受容史研究においても成果を得ることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、旧鈔本を手がかりとしながら『梅花無尽蔵』諸本を調査し、七巻本の系統を明らかにした。多くの新たな知見を得たが、特に現存する最古の七巻本である杏雨書屋蔵本、二番目に古い蓬左文庫蔵本、およびこれと同じ系統に属する松ヶ岡文庫蔵本に関する研究は、斯界への貢献が大きなものである。また、『梅花無尽蔵』が一部の蒐集家に死蔵されていたわけではなく、江戸の地誌の成立に寄与したものがあったことを明らかにした。就中、榊原芳野旧蔵『梅花無尽蔵』が『江戸名所図会』の編纂に用いられたこと、塙保己一旧蔵『梅花無尽蔵』が勝海舟の有に帰し、『府城沿革』の編纂に用いられたことは、従来指摘がなかったことに属する。
|