研究課題/領域番号 |
16K02371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
稲田 秀雄 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (80264969)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 狂言 / 鷺流 / 長州藩 / 日本文学 / 中世文学 |
研究成果の概要 |
山口市に伝わる鷺流狂言の台本として最も基本的な春日庄作自筆本のうち、未検討の8曲について、大蔵流・和泉流のような他流の台本、中央の鷺仁右衛門派台本、鷺伝右衛門派台本と比較することで、その系統的位置を明らかにした。また、春日庄作自筆の間狂言台本の翻刻作業、長州藩における狂言曲目の独自の改変事情の推定等も行った。 その結果、春日庄作が伝えた狂言曲目は、全体として基本的に鷺伝右衛門派の系統に属するが、曲目によっては、中央の鷺流とは異なる独自の詞章や演出が認められることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
山口市に現存する鷺流狂言は、長州藩狂言方であった春日庄作によって明治期に山口の素人衆に伝えられた。春日庄作が鷺伝右衛門派の役者であったことは、すでに指摘されているが、彼の伝えた狂言の内容の分析からその系統的位置を明らかにする研究は、未着手であった。本研究は、春日庄作自筆台本と他流台本、中央の鷺流台本との徹底比較による系統的分析によって、春日庄作自筆本記載の狂言が基本的に鷺伝右衛派の系統に属するとともに、部分的には中央の鷺流とは異なる独自の詞章・演出をもつことを明らかにした。このことは、江戸期地方諸藩における狂言の実態解明の重要な糸口となり、山口鷺流の今後の伝承活動の重要な指針ともなりうる。
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