研究課題/領域番号 |
16K02378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 新潟経営大学 |
研究代表者 |
西澤 一光 新潟経営大学, 経営情報学部, 准教授 (30248885)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 『万葉集』 / 『万葉代匠記』 / 契沖 / 思想史 / 解釈学 / 漢籍 / 高野山の学問 / 本居宣長 / 『漫吟集類題』 / 比較文学的方法 / 仏典研究 / 人間学 / 万葉代匠記 / 「初稿本」から「精撰本」へ / 契沖の閲歴と思想の関連 / 契沖歌集『漫吟集類題』 / 契沖における知的革新 / 中国学と契沖の漢学 / 富士山百首 / 歴史的認識 / 解釈の革新 / 「外」の視点 / 日本文学 / 古代文学 / 万葉集 / 江戸文学 / 歌学 / 国学 / 文学一般 |
研究成果の概要 |
本研究は、A『代匠記』の冒頭の「惣釈」および巻一・巻二の注釈をいくつかの初稿本の写本を比較しながら読解し、精撰本と比較することによって、さらに、契沖以後の学者の契沖評価を整理することにより、(1)契沖の読解方法が「解釈学」と呼べるような方法であって、中世期までの注釈とは根本的に異なって、語句の解釈が時代の言語体系および作品全体のなかで二重に決定されるものであるという「知」であることを明らかにした。さらに、(2)契沖の「解釈学」が高野山の漢学の方法とその学問の契沖独自の受容とによって形成されたものであることを明らかにした。(3)研究結果をウェブサイトで一般に共有する作業を継続的に展開している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日『万葉集』が読めるようになっているのは契沖の仕事のおかげである。今も多くの注釈書や研究論文が契沖の『代匠記』を引用している。契沖以前にも700年以上にわたる『万葉集』研究の歴史があるが、それらには歌を作品として「解釈」する視点が欠けている。契沖は独力で解釈学の体系を構築し、古代の作品は古代の言語体系で書かれていること、『万葉集』の文字表現は漢籍の織物であることを踏まえて、言語と思想の状況に立って『万葉集』を読解したのである。ところが、今日でもなお契沖の『代匠記』は専門家によって「注釈」としか見られていない。本研究は『万葉代匠記』に一貫している読解の思想と方法の解明に取り組んだものである。
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