研究課題/領域番号 |
16K02382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
惠阪 友紀子 京都精華大学, 国際文化学部, 准教授 (90709099)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 和漢朗詠集 / 書誌学 / 本文享受 / 古典籍 / 古筆切 / 本文伝受 / 伝本研究 / 和歌 / 漢詩 / 本文系統 / 国文学 / 平安文学 |
研究成果の概要 |
『和漢朗詠集』の伝本については本文異同が大きく、諸本の系統が整理されていないが、本文異同の要因としては、伝本の多さに加えて、正確に書き写すという意識が低かったことにあると考えられる。書体の類似などの単純な誤写だけではなく、積極的な本文の改変や詩歌の増補を行ったと考えられる例が散見する。『和漢朗詠集』は、四季・雑の大きな分類の下に、細目を立てて詩歌を分類することなどから、作詩・作歌の手引きとしての役割を果たしていたとの指摘があるが、そのような性格から、完成された作品としてただ書写するのではなく、書写者がそれぞれの目的に合わせて改変しながら享受されてきたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『和漢朗詠集』は、平安時代に書写された完本が複数あり、本文の状況としては恵まれているため、後世の写本については「朗詠江注」などの注釈については検討されているものの、本文そのものについてはあまり注目されてこなかった。写本は忠実に写されるものと考えがちであるが、豊富な写本が伝わる『和漢朗詠集』の諸本を検討すると、書写の方法や和歌の用字などさまざまな工夫が凝らされ、ただ書き写すだけではなく、書写者それぞれの目的に合わせた写本が作られていた様子が読み取れる。作品が書写され、受け継がれていく享受のありようの一端を示した。
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