研究課題/領域番号 |
16K02390
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
|
研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小池 博明 長野工業高等専門学校, 一般科, 教授 (30321433)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 和歌 / 表現 / 助詞 / 助動詞 / 構文 / 文章構成 / 八代集 / 百首歌 / 大江千里集 / 初期百首 / 句切れ / なりけり / もの / 古今和歌集 / 後撰和歌集 / 拾遺和歌集 / 場面 / 句題 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は、以下のとおりである。第一に、八代集の「なりけり」歌の展開を、修辞や文(句)相互の関係などから考察した。その結果、古今的表現に特徴的な理知的表現から、「なりけり」が本来持つ、内面的、述懐的性格へという推移が明らかになった。この根底には、古今的表現を支えた理知的発想そのものの変化があるだろう。第二に、初期百首の歌末形式の調査から、好忠・順・恵慶百首では感動文が優勢だが、重之百首は感動文が最少であった。これは、重之百首の公的性格が影響しているだろう。第三に、大江千里集の注釈(1~40番歌)を行うととともに、語彙的、構文的特徴や句題と和歌との関係などを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古典和歌の表現研究は、自立語(歌枕・歌ことば)と修辞との面から、大きな成果を上げてきた。そこで、今後は、表現主体(話し手)の判断や気持ちを表したり、叙述を統括、接合、終結するはたらきをする、助詞・助動詞(付属語)と、それによって組み立てられる構文、および句切れのある、複数の文から構成される和歌においては文章構成とを観点とした、研究の段階に展開する必要がある。しかし、本研究開始当初に、文学研究においては、こうした観点を正面に据えた研究はほとんどなかった。 本研究は、上記を観点として、八代集の表現史と複数の私家集の表現特性とを明らかにすることで、和歌の表現研究を新たな段階に展開した。
|