研究課題/領域番号 |
16K02396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (70148724)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 近代詩 / 翻訳 / オノマトペ / 翻訳不可能性 / 日本近代詩 |
研究成果の概要 |
本研究では、日本近代詩の翻訳不可能性について多角的な検討を加えることによって、以下の成果を得た。(1)多様な日本近代詩とその翻訳との対比的考察を通して、翻訳不可能性は、近代詩固有の形式(改行・連構成)及び詩的表現・詩的言語の性格がその直接的な要因となることを具体的に解明した。(2)昭和初期に行われた俳句翻訳をめぐる議論に検討を加え、そこで提示された多岐に及ぶ論点の中に、詩歌翻訳の可能性・不可能性に関わる基本的な原理が網羅されていることを確認した。(3)日本近代詩に特徴的なオノマトペ表現に焦点を据えた分析により、翻訳不可能性から可能性へと通路を開く翻訳実践の多様な試みを具体的に指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のオノマトペ翻訳に関する研究では、基本的に単語レヴェルで原語と訳語とを対比する言語学的アプローチを通して、その翻訳不可能性が指摘されてきたが、本研究は訳詩の表現全体を視野に入れて分析を進めることにより、翻訳不可能性を前提としつつ可能性への通路を開く多様な試みを明らかにした。またそれによって、翻訳の可能性・不可能性をめぐるこれまでの二項対立的な議論の枠組みの問い直しを行い、翻訳の可能性と不可能性の狭間でなされる翻訳行為の意義や可能性を考察した。
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