研究課題/領域番号 |
16K02397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
馬場 美佳 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (90405548)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 森田思軒 / 明治文学 / 新聞小説 / 新聞編集者 / 翻訳 / 郵便報知新聞 / 物語流通 / ジュール・ヴェルヌ / 日本近代文学 / 植民地 / 新聞記事シンジケート / 新聞 / イギリス |
研究成果の概要 |
本研究は、19世紀末、明治中期における新聞小説の位置付けについて再考することを目指したものである。とくに、森田思軒が『郵便報知新聞』に掲載した大量の原著不明作品に注目した。それらの多くがイギリスを中心としたアメリカ・オーストラリア・ニュージーランド等の大英帝国の文化圏の英字新聞に掲載され流通していた物語と一致していた。ここから、新聞に小説を掲載することが、新聞の編集という行為と密接であり、それが日本人読者の人文知の形成を促す志向をもっていたことが明確になった。『郵便報知新聞』のみならず、明治期文学者と新聞編集という観点から、改めて日本の近代文学のあり方を評価する視座を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、文学の翻訳と原典との関係は書籍を中心に検討されてきたが、19世紀後半特有の大英帝国文化圏における物語流通を視野に入れ、新聞メディアを新たな調査範囲とすべきと提案できた。 また、日本の文学と新聞との関係は大変密接であるにもかかわらず、従前の文学史において新聞小説そのものは大衆的・通俗的だと批判されざるを得なかった。しかし、明治期の文学者たちは新聞編集に積極的にかかわっており、なにより彼らの文学創作および翻訳の前提であり、基盤をなしていることがわかった。今後、そうした営為の総体を改めて評価することで、日本的な文学・文化の近代化の様相を再検討できるのではないかという新たな視座を得ることができた。
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