研究課題/領域番号 |
16K02398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 宗子 千葉大学, 教育学部, 教授 (40154108)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 児童文学 / 近代文学 / 日本文学 / 叢書 / 少年少女 / カノン形成 / 少年少女読者 / 読者 / 体系化 / 規範化 / 国文学 / 比較文学 |
研究成果の概要 |
本研究では、第二次大戦以降の主要な少年少女向け文学全集を対象に、近代文学がどのように体系化されたか、編集企画等にみられる「文学」に対する発信者側の意識を明らかにした。主要な叢書群には、当時の近代文学研究の動向が反映され、作家主体の編成から作品中心への変遷がうかがえる。他にも、随筆や紀行文など文種の多様性の存在がやがて小説中心に変化する点、下村湖人や山本有三らの教養小説的作品群が次第に凋落する点、夏目漱石の特権的位置の確立、国語教科書との関連性などが確認できた。これらの知見は、少年少女読者を対象に「文学」がどのように整備・確立され、享受されたかというより広い視野の研究に発展させ得るものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第二次大戦後に「現代児童文学」が出発し、高度経済成長の中で創作・翻訳の作品が多数刊行されていったが、その一方で一般文学の作品を収録した少年少女向き叢書も数多く刊行されていた。本研究ではそのうち近代文学を対象として刊行された主要な叢書類を1950年代から70年代にかけて順次検討していった。それにより、人格陶冶など「教養形成」を念頭において読書行為が期待されていた時代において、少年少女読者にもそれが求められていた状況が具体的にみえてきた。また時代の流れに即して選択される作品に変化がある様子など、戦後の社会・文化状況の中での「文学」の意味・意義について明らかにしていくことをした。
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