研究課題/領域番号 |
16K02420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 東京大学 (2018) 東海大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
出口 智之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10580821)
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研究分担者 |
荒井 真理亜 相愛大学, 人文学部, 准教授 (90612424)
松本 和也 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (50467198)
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研究協力者 |
髙野 奈保
杲 由美
多田 蔵人
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口絵 / 挿絵 / 新聞小説 / 石井鶴三 / 中里介山 / 北沢楽天 / 書簡 / 宮崎三昧 / 上司小剣 / 中村研一 / 菊池幽芳 / 婦人公論 / 吉川英治 / 宮本武蔵 / 樋口一葉 / 火野葦平 / 「大菩薩峠」 / 日本近現代文学 |
研究成果の概要 |
本研究では、近代日本の文学と美術の関係を考察した。 明治期を担当した出口は、小説作者が口絵や挿絵を描く絵師・画家に出した指示の状況と、絵画と小説との関係を幅広く探った。また、大正期を担当した荒井は上司小剣や菊池幽芳を中心に研究を進め、挿絵がきっかけになって芝居化された作品などから、当時の挿絵の位置を考察した。昭和戦前期を担当した松本は、当時の新聞小説における挿絵の役割を明らかにし、戦争文学や時代もの大衆小説における挿絵の機能を解明した。これに加え、三者で石井鶴三に宛てられた中里介山・北沢楽天の書簡を翻刻紹介し、大正~昭和期における挿絵画家の社会的立場や雑誌編集の背景などを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで分断して研究が行われてきた日本近代文学研究と日本美術研究を架橋するものとして、領域横断的に進められた。これによって、小説作者たちが口絵・挿絵に深く関わり、絵画にも作者の意図や構想が反映していること、第一印象の強い挿絵のイメージから芝居など他ジャンルの作品が生み出されたこと、特に戦争文学などでは挿絵が現地の状況を伝える報道的な側面を有していたことなどが明らかになった。その結果、絵画の側から文学作品を考える重要性と見通しが明確化され、また従来の美術史研究においてはまったく看過されてきた口絵・挿絵が同時代の美術関係者に有していた存在感の大きさが明らかになった。
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