研究課題/領域番号 |
16K02431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 川口短期大学 |
研究代表者 |
水間 千恵 川口短期大学, こども学科, 教授 (20591803)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 児童文学 / 児童文化 / ロビンソン変形譚 / ジェンダー / 文学史 / 冒険小説 / 読書推進 / ロビンソン・クルーソー / 冒険物語 / アニメーション / 日本文学 / 比較文学 / 英米文学 / 文学 / 文学理論 |
研究成果の概要 |
ロビンソ変形譚とはデフォーの『ロビンソン・クルーソー』(1719)を起点とする文学ジャンルのことである。子ども向けの縮約版や翻案は世界中で出版されており、日本でも、翻訳と日本人の作品がともに明治期から子どもたちに読まれてきた。 本研究は、日本における子ども向けの変形譚の歴史を明らかにすることを通じて、新たな角度から近現代児童文学史を綴るものである。翻訳作品と日本人作家の作品を区別せず、「日本の子どもたちが読んできた」変形譚の中で描かれる「食」に注目して物語を読み解くことによって、子どもの本に潜むイデオロギーの変遷、児童文学をめぐる多様な力学、大人が子どもに対して抱く期待等を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、次のような点にその意義が認められる。(1)日本におけるロビンソン変形譚の歴史を明らかにすることによって、近現代日本児童文学史に新たな情報を加えた。(2)「食」をめぐる表現の分析を通じて、児童文学作品が現代社会を生きる子どもたちに与える力を明らかにした。(3)児童文学のもつイデオロギー性を、ナショナリズムやジェンダーの観点から明らかにし、読者の役割について指摘した。(4)アニメーション版ロビンソン変形譚研究に先鞭をつけた。(5)児童文学作品を通して異文化理解や歴史認識を学ぶことの危うさを指摘し、大人の媒介者の役割について提言を行った。
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