研究課題/領域番号 |
16K02443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
清水 徹郎 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (60235653)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Franciscus Portus / Greek / Homerus / Shakespeare / Marlowe / Latin translation / myth / printing / 神話の書き換え / 古典 / 印刷本 / ラテン語訳 / ポルトゥス / マーロウ / シェイクスピア / ホメーロス / 英国初期近代 / 古代叙事詩 / 廉価本 / メトニミー / メタファー / 比喩 / 神話 / ギリシア / 英国 / ルネサンス / 受容 / 認知 / アルドゥス / ジュネーヴァ / 英米文学 / 古典文学 |
研究成果の概要 |
印刷技術発展に伴い16世紀中葉から急速にヨーロッパ各地で流通・普及した古典ギリシャ詩の学生向け希羅対訳本の同時代英詩への影響という問題について、ポルトゥス訳他の受容状況検証を試みた。併行して同時代美術・演劇での古典ギリシャ文化受容の状況を調べ、広くルネサンス芸術の流れと比較して英詩の位置を考究した。マーロウ、シェイクスピアなど16世紀後半の英国詩人でも、従来論じられた以上にホメロス叙事詩群他ギリシャ詩の影響を思わせる痕跡が観察される。新しい神話では冥界・歌・声などの表象、人間中心の宇宙・起源譚などが特徴的で、言語的イメージをメトニミーからメタファーへ書き換えるなどの形でも再創造がなされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来文学史では、16世紀英国詩人においては古典ギリシャ文学からの直接的影響がほとんどなかったとする見方が主流だったが、近年では16世紀に印刷本として多く流通するようになったラテン語訳による受容の可能性が重視され始めている。本研究はそのような研究動向を踏まえ、シェイクスピアとその同時代詩人のテクストにおいて具体的な受容の容態を考察したものである。結論として言えるのは、古典が必ずしも常に伝統的権威として特権的知識階級の独占物だった訳ではないということ。少なくとも大学初年レベルの教養を持つ詩人たちが、翻訳テクストを媒介に古代詩人たちと想像力による対話を行う状況が整っていたことが明らかになっている。
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