研究課題/領域番号 |
16K02445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高田 茂樹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40135968)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | エリザベス朝演劇 / シェイクスピア / ヒューマニズム / 宗教改革 / 近代初期イギリス / 演劇 / 『冬物語』 / 『ヘンリー六世』 / 悲劇 / ルネサンス / 相乗的影響 |
研究成果の概要 |
俗世における個人の努力を強調するヒューマニズムの文化と、神への絶対的な帰依と魂の救済の確信を得るための不断の努力を旨とするプロテスタンティズムの心性とは、しばしば相乗的に作用して強固で継続的な行動の動機を形成する反面で、現世における成功を優先しがちな前者の発想と来世における魂のあり方こそを最も重視する後者の倫理は激しい葛藤を引き起こすこともあり得た。こういった矛盾をはらんだありようを劇作家は自分の創作を通してどのように分節化し対処していったのかという観点から、シェイクスピアの初期の『ヘンリー六世』三部作、『リチャード二世』と、晩年の『冬物語』を分析・解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シェイクスピアのキャリア全体に亘って、彼の関心の中心にあった、個を超えた秩序への信奉とそれを破って自らの力を発揮しようとする意志という、相反するありようの起源の一つを、ヒューマニズムの文化と先鋭化した宗教倫理という、協同しつつ対立もする時代の思潮に求めて、初期の歴史劇と晩年のロマンス劇とで、それぞれがどう発現しているか解明して、シェイクスピアの中に流れる世俗的な関心と超越的なヴィジョンとがどのように影響し合い変容していったかを統一的に理解する視座の基礎が得られた。こういった視座は、シェイクスピアのみならず、他の劇作家や詩人たちの作品を理解する上でも、きわめて有効な手立てになると考えられる。
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