研究課題/領域番号 |
16K02460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松田 隆美 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (50190476)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中世英文学 / 西洋中世 / 予定説 / 自由意志 / キリスト教思想 / ヨーロッパ中世写本 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
本研究では、13 世紀後半~16 世紀初頭にかけて中英語で著された宗教文学作品を対象として、キリスト教の「予定説」がいかに論じられているかについて調査した。その結果、予定説について神学的な解説を試みる英語作品が存在する一方で、救済における自由意志の役割を強調して、あえて予定説には触れない傾向も一般信徒や修道女を対象とした作品に認められることが明らかとなった。さらに、ナラティブ文学における予定説の主題化について、チョーサーを対象として研究し、一般信徒にとって難解な、予定と自由意志の表面的矛盾の問題に対して、ひとつの回答が試みられていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西洋中世において、運命は神の計画によってあらかじめ定まっているとする予定説と個人の自由意志の関係性は、死後の救済と直接関わる本質的課題であるが、神学的素養の無い一般信徒には難しい論点である。本研究は、中世後期に英語で書かれた主に一般信徒向けの宗教文学において、一見矛盾するようにみえるこの論点がいかに説明されているか(あるいは避けられているか)を分析した。そこには、教義を正確に教えることと、信徒を改悛と救済へと導くという実践とのあいだの葛藤が具体的に認められるが、それは教化や教育における普遍的な課題で有り、歴史的事例を扱った本研究はそのためにひとつの視座を提供する。
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