研究課題/領域番号 |
16K02476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
服部 慶子 大阪大谷大学, 人間社会学部, 教授 (00469511)
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研究分担者 |
服部 典之 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50172937)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | シャーロット・ブロンテ / ブランウェル・ブロンテ / 火の象徴 / デュ・モーリア / ヴィクトリア朝文学 / 火をつける女性という象徴 / 火をつけるという表象 / genius / ヴィクトリア小説 / ブロンテ姉妹 / 火の表象 / センセイション・ノベル / 火をつける女性 / 英国小説 |
研究成果の概要 |
本研究では、シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』のバーサを代表として多くの英国小説に見られる「火をつける女」の表象の分析を行った。火をつけるという激烈で扇情的な行動が、プロット展開を一挙に攪乱させ読者に衝撃を与えることを解明した。常軌を逸した「火をつける女」の表象は従来分析の対象にならなかったが、この現象の英文学における意味を明らかにし、「火をつける」ことの文化史的意義にも射程を拡げて考察し、その激烈さの本質を解き明かした。また原始以来の「破壊する火」が人類の文明の発達とともに「馴致された火」に変化し、人間的温かさの象徴である「暖炉の火」に昇華する様についても論文等で明らかにできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「放火」は犯罪だが、文学作品に現れる「火をつける女性」の表象に関しては、その激烈で扇情的行動が物語のプロットの転換点を成すことが多く、読者にも強烈な印象を与えるだけに、研究するに値する。シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』に登場するバーサの分析を研究成果に発表したが、狂気に陥ったバーサという女性登場人物の放火と自死は主人公ジェインとロチェスターの力関係を一挙に変更させたことを明らかにした。この研究は「火をつける」ことの破壊的力を明らかにしたが、同時に「火」を馴致し賢く利用する際「暖炉」に代表される人間同士の温かな関係を象徴するものにもなり、文化史的にも重要であることを明らかにした。
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