研究課題/領域番号 |
16K02481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
齋藤 博次 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90180801)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | プロレタリア文学 / ジェンダー / 人種 / 階級 / アメリカプロレタリア小説 / 人種・民族 / Sgnes Smedley / Jack Conroy / Mary McCarthy / プロレタリア文学の美学 / プロレタリア文学の多様な特質 / 欲望と労働 / プロレタリアート文学 / キャノン再編成 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
アメリカでは、1929年の大恐慌以降、共産主義運動が急速に高まった。それに伴い、左翼系の雑誌が創刊され、労働者の階級意識を高め、社会革命と芸術表現を結びつける文学運動が進んでいった。プロレタリア小説の勃興は、文学と政治との関係について二つの問題を提起した。一つは、文学の政治的有効性をめぐる問題である。この問題をめぐって雑誌Partisan Reviewはプロレタリア文学と決別し、モダニズム文学擁護へと向かった。プロレタリア小説が提起したもう一つの問題は、階級という概念と人種やジェンダーをめぐる問題である。本研究は、この3つの要素に着目して、プロレタリア小説の独自性と複雑さを分析したものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロレタリア小説を階級という観点からとらえるのではなく、人種やジェンダー、さらにはセクシュアリティといった観点から捉え直すことにより、プロレタリア小説が共産主義運動を推進する単なる「道具」でもないし、階級意識を反映した小説でもないこと、そして独自の様式と複雑なテーマが織り込まれていることを明らかにした。また、プロレタリア小説を論じる場合は、旧来のリアリズム小説の規範からアプロ―チするのではなく、異なる美学に依拠する必要があることを提案した。
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