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アンチ・エレジーが果たす役割:アメリカの詩人パーマーの作品と現代社会

研究課題

研究課題/領域番号 16K02487
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関静岡大学

研究代表者

山内 功一郎  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20313918)

研究協力者 パーマー マイケル  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
研究課題ステータス 完了 (2018年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードアメリカ / 詩 / エレジー / 文学 / アメリカ文学 / 現代詩
研究成果の概要

本研究の成果は、アメリカの詩人マイケル・パーマーの作品において「アンチ・エレジー」的な要素がどのように作用しているかを解明した点にある。アンチ・エレジーは単純にエレジーという文学的モード自体を消去するのではなく、むしろそれを「進化させ、異種交配させ、自己破壊させる」ために機能する。本研究はまずこの点に着目し、パーマーの作品におけるエレジー的な要素とアンチ・エレジー的な要素の競合について分析した。その結果、詩には現代社会の悲劇を一掃する力はないが、同時代の読者各々の意識における肯定性と否定性のバランスを復活させる言語固有の機能は確かにあることが証明された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

研究成果の学術的意義は、これまでほとんどお互いから断絶していたパーマー作品の研究とアンチ・エレジーの研究の間に連関するテーマを見出し、分析を行った点にある。その結果、エレジーとアンチ・エレジーの競合を示すパーマー作品が、現代社会において過小評価されがちな「言語」の真価を読者に指し示す機能を持っていることが判明した。これはまずアカデミズムにおけるアメリカ文学研究の成果であるが、それと同時にアカデミズムのの外部にとっても有益な社会的意義を有する。なぜならばそれは、パラドックスを通じて「言語」の実相に迫る試みが、詩の読者各々によって実践可能であることも証明したからである。

報告書

(4件)
  • 2018 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2017 実施状況報告書
  • 2016 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2019 2018 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] サンフランシスコ州立大学(米国)

    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ノックする黒い波―小池昌代著『赤牛と質量』2018

    • 著者名/発表者名
      山内功一郎
    • 雑誌名

      現代詩手帖

      巻: 61.12 ページ: 93-93

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [雑誌論文] 到来する言葉たち―マイケル・パーマーによる「アンチ・エレジー」の実践2018

    • 著者名/発表者名
      山内功一郎
    • 雑誌名

      現代詩手帖

      巻: 61巻3号 ページ: 46-52

    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 廃墟の行方―『デジャヴュ街道』を歩みながら2017

    • 著者名/発表者名
      山内功一郎
    • 雑誌名

      現代詩手帖

      巻: 60巻4号 ページ: 87-89

    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「冒険におけるシュルレアリスト」の誕生――フィリップ・ラマンティアの少年時代と初期詩篇について2017

    • 著者名/発表者名
      山内功一郎
    • 雑誌名

      シルフェ

      巻: 56 ページ: 49-69

    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Michael Palmer: Searching for an Alternative Vision2017

    • 著者名/発表者名
      Koichiro Yamauchi
    • 雑誌名

      The Journal of the American Literature Society of Japan

      巻: 15 ページ: 110-112

    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [雑誌論文] この時代の闇のなかで――マイケル・パーマーの近作について2016

    • 著者名/発表者名
      山内功一郎
    • 雑誌名

      三田文学

      巻: 95 ページ: 322-326

    • NAID

      40020985851

    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [学会発表] “Who will count, who will claim?” ―Michael Palmer の近作における「アンチ・エレジー」の展開2018

    • 著者名/発表者名
      山内功一郎
    • 学会等名
      静岡大学人文社会科学部翻訳文化研究会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [図書] 今野喜和人編『翻訳とアダプテーションの倫理』2019

    • 著者名/発表者名
      今野喜和人(著、編集)、山内功一郎(著)、スティーブ・コルベイユ(著)、安永愛(著)、ローベル柊子(著)、中村ともえ(著)、大薗正彦(著)、花方寿行(著)、田村充正(著)、大原志麻(著)、南富鎭(著)、袴田光康(著)、桑島道夫(著)、渡邊英理(著)
    • 総ページ数
      428
    • 出版者
      春風社
    • ISBN
      9784861106217
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [図書] 富士川義之編『ノンフィクションの英米文学』2018

    • 著者名/発表者名
      富士川義之 (著、編集)、山内功一郎(著)、原田範行 (著)、藤巻 明 (著)、大石和欣 (著)、吉川朗子 (著)、田中裕介 (著)、大渕利春 (著)、道家英穂 (著)、兼武道子 (著)、 山田美穂子 (著)、結城英雄 (著)、田尻芳樹 (著)、 辻昌宏 (著)、髙岸冬詩 (著)、鎌田禎子 (著)、島貫香代子 (著)、平塚博子 (著)、本荘 忠大 (著)、et al
    • 総ページ数
      432
    • 出版者
      金星堂
    • ISBN
      9784764711839
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [図書] 沈黙と沈黙のあいだ―ジェス、パーマーとペトリンの世界へ2017

    • 著者名/発表者名
      山内功一郎
    • 総ページ数
      231
    • 出版者
      思潮社
    • ISBN
      9784783738084
    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書

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公開日: 2016-04-21   更新日: 2022-02-16  

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