研究課題/領域番号 |
16K02493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
田久保 浩 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20367296)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | イギリス文学 / メディア研究 / イギリス18世紀 / イギリス19世紀 / イギリス・ロマン派 / イギリス詩 / メディア / 18世紀 / 詩 / Sensibility / 出版文化 / ジャーナリズム / 十八世紀 / イギリスロマン派 |
研究成果の概要 |
1787年から2年ほどの期間、ロンドンの日刊紙The World: Fashionable Advertiser紙上で展開されたデッラ・クルスカ派と称される匿名新聞投稿恋愛詩のブームについて、文学とメディアとの関係において調査を行った。イタリア中世のロマンスの主人公を気取りながら、匿名の男女が新聞紙上での詩の交換によって赤裸々な男女の恋愛感情を吐露するという現象は、性差、階級を超えて、読者が活字を媒体としたメディア上において共感によって結ばれたコミュニティー形成の出現を示す。この十八世紀の出版メディアが生み出した状況は、基本的に現代においてインターネットが果たす役割と共通するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デッラ・クルスカ派の詩については、イギリス・ロマン派詩人たちへの影響という観点から1950年代より散発的に研究がなされてきた。しかしながら、日刊紙が媒体となり、匿名の男女、社会階層も単一でない読者たちが、新聞紙上の恋愛詩の交換によって展開される劇場空間を共有していたことに注目する点において、本研究の独自性がある。不特定多数の人々が共感によってつながることがメディアの特徴であり、インターネットの登場するはるか以前よりメディア上のコミュニティーが存在していたことを指摘することは現代文化およびメディアの役割についての理解のためにも意義がある。
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