研究課題/領域番号 |
16K02495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
竹内 勝徳 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (40253918)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ハーマン・メルヴィル / ナサニエル・ホーソーン / 『白鯨』 / 発生論的研究 / fluid text / 『信用詐欺師』 / 音楽性 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は単著『メルヴィル文学における<演技する主体>』(小鳥遊書房、2020年)において示すことができた。本研究で調査したホーソーンとの身体的関係性や、主体に憑依するように現れる他者の魂、音声表現や音楽的な声による身体的な結びつきを具現した語り手やキャラクターを、本書において<演技する主体>と定義している。背後に別の何かが見え隠れする語り手やキャラクターを<演技する主体>として特定し、それによってテクストがハイブリッド化し、fluid textとして機能する諸相を考察することができた。<演技する主体>は、そのハイブリッド性によって、時代のイデオロギーに対して解体を迫った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メルヴィル研究において発生論的研究はあまりかえりみられていなかったが、執筆過程を分析することで、その創作法が解明され、それによってキャラクターの特徴やテクストの特性が明らかにすることができた。テクストの流動性とは、読者の側の生成作用というだけでなく、作家自身の中で他者との関わりや時代精神との対話を通して形成されるものであり、それがそのままキャラクターや語り手の向こうに透けて見えるようになるのである。この研究法は、資料収集の難易度にもよるが、他の作家研究にも応用できるものである。その意味では、メルヴィル研究と文学研究に、学術的なフォーマットを一つ提供できたのではないかと思う。
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