研究課題/領域番号 |
16K02512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 敬和学園大学 |
研究代表者 |
金山 愛子 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (90257436)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | メイ・マッシー / 絵本 / 編集 / 出版 / 民主主義 / 思想 / 移民 / 他の声 / 他の文化 / 図書館 / ピーターシャム夫妻 / コスモポリタニズム / 英米文学 / 児童文学 |
研究成果の概要 |
子どもの本の編集者メイ・マッシー(1882-1966)は、1000冊近い児童書を出版し、アメリカ絵本の黄金時代(1930年代)創出に貢献した。その半数以上が今でも出版されるほど類まれな編集者であったものの、その生涯や思想がまとめられてこなかった。「メイ・マッシー・コレクション」所蔵の出版物や、記事、書簡、回想録等を精査することで、マッシーの生涯で不明な点や思想を根拠資料によって明らかにした。大戦や移民の急増、大恐慌という激動の時代にあって、マッシーは絵本を通して子ども達にどのような世界や価値観を示そうとしたのかを問い、その根幹に「民主主義」の思想があることを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、個々の作家や作品研究では捉えることのできない、絵本や子どもの文学をめぐるダイナミックな運動を一人の編集者を軸として包括的に見るという試みに特色がある。移民の急増や大戦、大恐慌という激動の時代にあって、メイ・マッシーは移民アーティストを積極的に起用し絵本の世界に革新をもたらした。移民の著しい増加をチャンスと捉えた彼女の仕事はコスモポリタンであると評されたが、その根底にあったのは民主主義の価値観であることを解明した。当時のアメリカ社会の問題の多くは現代社会の問題でもある。よい絵本の基準や絵本の根底にある価値観など、子どもと本に関わる者が立ち帰ることのできる指針を示すことができた。
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