研究課題/領域番号 |
16K02513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
河原崎 やす子 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (80341808)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アジア系アメリカ文学 / 日本植民統治 / 太平洋戦争 / アジア文学 / 戦争記憶 / 戦争の記憶 / 日本の植民統治 / 世界文学 / インドネシアの文学 / マレーシアの文学 / 南京事件 / 慰安婦問題 / トラウマ体験 / 真珠湾攻撃 / 記憶 / 日本の侵略 / アジア太平洋地域 |
研究成果の概要 |
本研究は、太平洋戦争時の日本の侵略統治に関するアジア系アメリカ文学の表象を歴史記憶の観点から分析考察することを目的とした。これは被害国側の歴史記憶を示すものでもあり、アジア人作家も研究対象含めてジャンルの作品系譜を作成し考察した。作品の多くが1990年代以降発表されたことはアジア諸国の安定や人権観念の定着などを背景としている。作品群が共通して示すのは、日本侵略への厳しい批判と同時に、歴史と国家と個人を結ぶアイデンティティ模索である。これは太平洋戦争が被害国の記憶を表象する文学という現在に生きていることを示しており、日本は加害の歴史を忘却してはならないと認識させられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のアジア系アメリカ文学には、出身国に目を向けて太平洋戦争時の日本植民統治を取り上げる傾向がみられる。それはアジアの国にも顕著な傾向であり、なぜどのようにこのテーマを取り上げるかは日本人研究者として見逃せない。本研究ではこの文学ジャンルの系譜を作成し分析した。日本が加害の歴史に鈍感だという批判は、この文学ジャンルの研究で痛感させられる。アジア系アメリカ人もアジア人も80年近く前の歴史を記憶から蘇らせ、日本の侵略統治が今なお被害国には大きなトラウマだと明瞭に示している。この研究は日本に欠けている部分を補う意義をも持つものである。
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