研究課題/領域番号 |
16K02526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
田口 卓臣 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (60515881)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 専制批判 / 近代的統治 / フィクション / モラリスト文学 / ポルトレ / 政治的箴言 / 摂政時代 / ルイ14世時代 / 公衆概念 / 主権理論 / モンテスキュー / フェヌロン |
研究成果の概要 |
本研究は、18世紀フランスの先鋭的な啓蒙思想家(モンテスキューとディドロ)の小説の分析を通して、次の2点を明らかにした。すなわち、(1)彼らはそれぞれの文学作品において、アンシャン・レジーム期の王権を「専制」の典型とみなし、その諸特徴を析出していること、(2)彼らはそれを通じて、政治・経済・社会に解体をもたらす「専制」の諸原理について究明していること、である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、主権概念から統治権力を基礎づけようとした17世紀以来の主権国家理論の正統的な系譜(ボダン、ホッブズ、ロック、ルソー等)とは異なる共同体思想の系譜(モンテスキュー、ディドロ)が、18世紀フランス文学において明確に継承されていたことを示すものである。 本研究は、思想、文学、政治の諸ジャンルを越境する観点に基づいて、18世紀フランスの王権に一貫して潜在していた「専制」への傾向に対する抑止、緩和、抵抗を模索した文学作品の方法に光を当てることで、いわゆる政治学史の通説には収まりきらない、特異な共同体思想の鉱脈を掘り起こす点で、意義を持つ。
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