研究課題/領域番号 |
16K02528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚本 昌則 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (90242081)
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研究分担者 |
中地 義和 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 準研究員 (50188942)
野崎 歓 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (60218310)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フランス近代文学 / 散文 / 非人間 / 声のテクノロジー / 夢と覚醒 / 制作学 / メルロ=ポンティ / フランス二十世紀文学 / 散文詩 / 声 / フランス文学 / 非人称 / 詩学 |
研究成果の概要 |
近代フランス文学では、とりわけ詩の分野で、詩人不在という現象が明確になってゆく。ランボーの「私とは一個の他者だ」という言葉が典型的に示しているように、抒情の言葉がもはや実在する人物の心情から発生するのではなく、非人格化の過程で模索されるようになるのだ。この作者と言葉の分離という現象は、散文詩というジャンルを生みだしただけでなく、ヴァレリー、カミュ、クロード・シモン等、二十世紀の作家たちの散文にも広く見られる。本研究では、フランス近代の散文に見られる非人間化という現象を、歴史的背景をふくめた広い視点から検討することを目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二十世紀の芸術家たちには、作品をほとんど全面的に人間的事実のフィクションから構成するという、十九世紀の写実主義の方法への反発が広汎に見てとれる。この非人間の詩学が、文学においてどのように現れているのかという問題はまだ十分に解明されていない。例えば〈声〉という現象には個人を超える広がりがあり、個人のものとは感じられない、録音された声や内なる声など、声の諸相は文学の大きな主題となっている。また、夢と覚醒という、個人のなかで人格の意識がゆらぐ状態も、さまざまな作家、詩人、思想家によって扱われている。これらのテクストの読解を通して、二十世紀文学のあり方を再考することを本研究では目指した。
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