研究課題/領域番号 |
16K02554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤田 恭子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (80241561)
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研究分担者 |
鈴木 道男 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (20187769)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ナショナリズム / 普遍 / ユダヤ / ゲーテ / シラー / 多文化共生 / マイノリティ / ナチズム / 文化ナショナリズム / 独文学 / 西洋史 / マイノリティ文化論 / 地域研究 |
研究成果の概要 |
本研究は、第一次大戦後にマイノリティとなったルーマニアのドイツ語話者によるドイツ古典主義文学受容を検証し、その受容が彼らのアイデンティティ形成に果たした役割を解明した。ドイツ語話者の特性は地域ごとに異なり、ブコヴィナではユダヤ系が、トランシルヴァニアではプロテスタントのドイツ系が多い。両者は第二次大戦中にホロコーストの被害者と加害者ともなった。 前者にとりゲーテは普遍的人間性を示す「真のドイツ文化」の象徴であり、ナチズムの対極にあるものとしてアイデンティティを支えた。他方、後者におけるシラーへの盛んな崇敬はドイツ民族としてのアイデンティティの紐帯という政治的意義を帯びていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドイツやオーストリアでのドイツ古典主義文学受容については、手厚い先行研究があるが、国外のドイツ語話者マイノリティに着目し教育等にも目配りした研究は管見の限り見当らなかった。他方、ルーマニアのドイツ語話者マイノリティ研究では古典主義文学受容に関わる包括的で学際的研究はなかった。本研究は、マイノリティ集団のアイデンティティ形成における文学の機能を検証し、マイノリティ文化の視座からドイツ古典主義文学受容に新たな照射を行うことで、文学研究およびマイノリティ研究双方に寄与することができた。 研究の過程で、書籍化やデジタル化されていない重要な資料も発掘し、内容紹介が可能となった。
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