研究課題/領域番号 |
16K02559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松浦 純 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (70107522)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ルター / 神秘主義 / 文献学 / 装幀分析 / 紙の分析 / 思想史 / タウラー / マルティン・ルター / 手書きノート分析 / 製本分析 / 用紙分析 / 草稿の字体分析 / エディション / 宗教改革 / 「ドイツ神学」 |
研究成果の概要 |
資料上、ルターと神秘主義の問題を追及する一番の基礎となるのは、ルターの「ドイツ神秘主義者」タウラーの説教集への注記であるが、文献学的な研究が進んでいなかった。本研究の3度にわたる現地調査によって、この資料を新しい文献学的基礎の上にすえることが出来た。すなわち、注記が説教集製本前と製本後の2時期に亘ることを発見したほか、製本時期を推定するためドイツの10数館の図書館(等)において、製本調査および使用された紙の調査を行ない、製本時期とインク使用をてがかりに、記入時期の客観的な推定(1515年番秋~1516年晩冬)に成功した。これは、思想発展研究の基礎のひとつとなる。ほか、註解作業を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成果の概要で述べたように、ルターの「ドイツ神秘主義者」タウラーの説教集への注記を文献学的に新たな基礎の上に据えることに成功し、思想発展研究に新たな局面を開いた。ルターの思想発展をドイツ神秘主義との関連で見ようとする動きは最近また見られるようになっており、新エディションあるいはそれを先取りした論文は注目を集めるであろう。社会的意義としては、禅仏教との関連で取り上げられもして来、日本文化との親縁性を感じる向きもあるドイツ神秘主義と、逆に異質と感じられることの多いルターの思想との関係を考えるための基礎作業は、広い意味で彼我の文化の理解に資するだろう。
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