研究課題/領域番号 |
16K02562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
桑原 聡 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (10168346)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | コトバ / コトバの形而上学 / 井筒俊彦 / 天球の音楽 / ピタゴラス / プラトン / ケプラー / ユダヤ神秘主義 / ヘルマン・ブロッホ / 真言宗 / オルペウス / プロティノス / カバラ / 『ウェリギリウスの死』 / オルペウス神話 / 歌 / 『ゾーハルの書』 / 言語神秘主義 / ドイツ文学 / Hermann Broch / Der Tod des Vergil / クンストカマー |
研究成果の概要 |
本研究は,ヘルマン・ブロッホの小説『ウェルギリウスの死』において主題となっている「コトバの形而上学」を文化史的に明らかにすることを目的とした。 この作品は、ドイツ・ロマン派の時代に提起された世界の調和の喪失とその再獲得の問いに、言語論として(「言葉」die Spracheと「コトバ」das Wort の使い分けとして)答えようとする、極めて存在論的な小説である。本研究ではこの作品を文化史的観点からできる限り具体に即して分析・解釈し、何故ブロッホが「天球の音楽」のモチーフを多用し,「歌人の責任」を問題とするのかを、また、この作品以後執筆された新たな民主主義確立のための論文との関係を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘルマン・ブロッホの小説『ウェルギリウスの死』は,,ローマ建国を謳った叙事詩『アエネーイス』を執筆した、アウグストアウグストスの時代の大詩人ウェルギリウスの死までの18時間を描いた作品である。西欧ではこの事実から,この大叙事詩を古代ギリシア・ローマの神話との関連で解釈するものが主流であった。それに対して,東洋文化圏の伝統立つ研究代表は,この作品の主題である「コトバ」das Wortと「コトバ」die Spracheの区別を道教,真言宗などの言語観と共通点をもつユダヤ神秘主義の言語観から読み解き,新しい解釈の道を拓いた。この成果はブロッホ研究においても高く評価された。
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