研究課題/領域番号 |
16K02563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉田 治代 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70460011)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ドイツ思想 / ドイツ文学 / アナーキズム / 社会主義 / 文化多元主義 / 文化の遺産・記憶論 / 思想史 / 文化の遺産・記憶 / 独文学 |
研究成果の概要 |
本研究は、エルンスト・ブロッホにおける「遺産」概念、および「遺産継承」という実践について、グスタフ・ランダウアーとフーゴ・バルのアナーキズムからの影響を跡付けながら解明することを目的とする。成果として次の三点が挙げられる。1)ナショナリズム、帝国主義、資本主義、マルクス主義に対抗しながら、それらのイデオロギーによって抑圧され、忘却された過去の思想を現在へと想起するというアナーキズムの独自の歴史哲学を解明した。2)このアナーキズムを受けとったブロッホの思想は、宗教も含む思想伝統を遺産相続する「保存するユートピア」と理解できる。3)バルの〈キリスト教的アナーキズム〉とブロッホへの影響を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1)歴史批判的アプローチによって、「マルクス主義」にのみ還元されないブロッホ思想の読解を進めた。2)長らく閑却されてきたランダウアーとバルのアナーキズムについて、最新の一次/二次資料を分析してその全体像を明らかにし、またブロッホに関する研究と突き合わせることで、「遺産相続」を基とする多元主義的ユートピア思想の源泉を特定した。3)「ダダイズム」という枠を超えて、バルの〈キリスト教的アナーキズム〉を解明し、そのブロッホへのインパクトを明らかにした。4)スイスからブロッホ研究者を招聘して、ブロッホの宗教思想、ひいては社会主義と宗教という、20世紀思想の重要な問題の再考を促す議論を提示した。
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