研究課題/領域番号 |
16K02564
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
番場 俊 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (90303099)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 記号 / バフチン / ヴィゴツキー / ドストエフスキー / 顔 / 身体 / エイゼンシュテイン / 記号論 / 外国文学(中・英・仏・独除く) / 芸術諸学 |
研究成果の概要 |
本研究では、20世紀初めのロシアにおける記号をめぐる思考のうちに複数の異なった潮流を認めることを試みた。バフチンとヴィゴツキーの記号論の差異は、「顔の現象学」と「身体の統御」という異なる文化的パラダイムの対立として理解することができる。ドストエフスキーの作品から最大のインスピレーションを得ているバフチンの対話主義は、19世紀における「顔」をめぐる想像力の変容という文脈で捉えなおすことができる。情動的記号に関するヴィゴツキーのアイデアは、同時代の生理学やアヴァンギャルド芸術と共鳴しつつ、近年、文化理論における「情動論的転回 Affective Turn」と呼ばれているものに大きく寄与する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20世紀初めのロシアにおける記号をめぐる思考は、おおむねその後の西洋における構造主義や記号論の展開の前史として理解されているが、それにとどまらず、「情動論的転回」と呼ばれる今日的な思想課題にとっても大きなインパクトをもっている。本研究はまた、バフチンとヴィゴツキーの差異に積極的に注目することで、単線的で平板な文化史理解に異議を唱えようとするものでもある。記号に関する理論的検討は、ドストエフスキーをはじめとする文学作品や芸術作品の検討とあわせておこなわれており、文化史に対する学際的なアプローチの有効性を証明することにもつながっている。
|