研究課題/領域番号 |
16K02565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平松 潤奈 金沢大学, 外国語教育系, 准教授 (60600814)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ロシア文学 / 新経済批評 / 贈与交換 / 近代世界システム / ドストエフスキー / 貨幣 / 交換経済 / 外国文学 / ロシア / 西欧近代 |
研究成果の概要 |
本研究は、近代化が本格化する19世紀後半のロシアの文学(特にドストエフスキー作品)を、贈与交換論や近代世界システム論などの経済的観点から考察するものである。この時代、ロシア社会に近代的な非人格的社会制度(貨幣経済など、神への信仰や専制君主への服従や隣人愛などの人格的要素なしに稼働する制度)がより体系的に導入されるが、近代世界システムの周縁に位置する社会では、これらの制度の導入は逆説的に、人格的関係や神への信仰を強化する。本研究は、文学作品の分析を通してこの論理を追い、当時のロシア社会における人間主体形成と経済問題の関係性や、それが文学テクストの芸術形式に及ぼした影響を明らかにする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ソ連崩壊から30年を経た現代のロシアは、再び「西側社会」との冷戦関係に突入したように見える。「西欧」と近いが、しばしば西欧に対する敵対性や異質性(専制的政治体制、経済的後進性など)を指摘されるロシアの社会・言説構造の根源はどこにあるのか。この問いに答えるため、近代化が本格化する19世紀後半のロシアの文学や歴史状況の分析を行い、近代世界システムの「周縁」に位置するロシア社会で形成された人間主体のありかたを提示したことに、本研究の学術的・社会的意義があると考えられる。
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