研究課題/領域番号 |
16K02566
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥田 敏広 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60194495)
|
研究分担者 |
Trauden Dieter 京都大学, 人間・環境学研究科, 外国人教師 (20535273)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ニーベルンゲン / 中世伝説 / 近代市民社会 / エマヌエル・ガイベル / バイエルン王 / プロイセン王 / ブルンヒルト / ワーグナー / ニーベルングの指環 / フランク・カストロフ / 石油 / バクー / フリードリヒ・ヘッベル / 神話と歴史 / ニーベルンゲン伝説 / フリードリヒ・ドゥ・ラ・モッテ・フ ケー / 北方の英雄 / 独文学 / ニーベルング伝説 / 神話 / 19世紀文学 |
研究成果の概要 |
ニーベルンゲン伝説に関してはワーグナーの『ニーベルングの指環』が有名であるが、18世紀後半の「ニーベルンゲン手稿」の発見以来、その後の19世紀には、ワーグナー以外にも実に多くのニーベルンゲン作品が作られていた。必ずしも注目されないまま伝承されてきた伝説が、突如「国民叙事詩」となったのである。 本研究では、そのような中で代表的なフケー、ヘッベルおよびガイベルのニーベルンゲン作品を取り上げて、それらの中に本当に「国民的」なもの、すなわち「ドイツ的なもの」が含まれているのか、またそうだとするならその「ドイツ的なもの」のとはどのようなものなのを、当時のドイツの社会と政治を背景に明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20世紀の後半以来のドイツにおいては、2度の大戦の元凶になったナショナリズムへの反省から、、ニーベルンゲン作品を「国民叙事詩」として取り上げることに警戒が強く、ワーグナー以外には研究があまり進んでいない。そのような状況の中で、ドイツ「国民」と「ドイツ的なもの」に容赦のない実証的な分析を試み、その「正統性と虚構性」を明らかにした本研究は、その視点と対象の独自性、およびその先入観のない公正性によりすぐれた学術的価値を有している。 グローバル化と多文化主義のせめぎあいは、現在世界が直面している最大の課題の一つであるが、本研究における「国民」の分析は、そのための一つの基本となる考察を提供している。
|