研究課題/領域番号 |
16K02568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
津田 保夫 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (20236897)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ドイツ文学 / 人間学 / 近代文学 / 経験心理学 / 十八世紀 / 小説理論 / 経験的心理学 / ドイツ思想史 |
研究成果の概要 |
18世紀中頃にドイツで起こった思想史および学問史における人間学的転回によって、近代の新しい社会的現実の中で生きる人間の姿が経験的事実において観察され、身体と精神、理性と感性、意識と無意識などに分裂した近代的人間ともいえる新しい人間像がもたらされた。文学においてもそのような分裂した人間の姿が対象となり、その調和的総体性の回復への試みがフマニテートの理念のもとに様々な形で試みられた。そのようにしてドイツにおける近代文学は成立し、近代的人間の様々な姿や内面の深層を描き出すことができるようになったが、総体性回復の試みは当時の時代的状況のために、必ずしも十分な成果を上げることはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、思想史および学問史において提示された人間学的転回の概念を文学史に適用し、それが近代文学成立に大きく関わっていることを明らかにした点である。すなわち、人間学的転回は近代的人間ともいえるような新しい人間像をもたらしたが、そのような人間を文学が対象として扱うようになり、それによって近代文学といえるような新しい文学形式が成立してきた過程を示したのである。またそのようにして始まった近代文学は、その理論と実作において近代的人間が喪失した調和的総体性の回復の試みを様々な形で行っており、それは現代および将来における新しい文学の可能性を考えていく上でも大きな意義を有するであろう。
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