研究課題/領域番号 |
16K02573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
城 眞一 東京医科大学, その他部局等, 名誉教授 (60424602)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | リルケ / オカルティズム / カール・デュ・プレル / ドイツ語文学 / プラハ / 間文化的状況 / ベーメ / 自動筆記 / 詩作 / 口授 / J.ベーメ / 実証科学と心霊主義 / 降霊術の詩論 / 言語危機 / カール・ドゥ・プレル |
研究成果の概要 |
この企画によって、リルケの詩論が、同時代の一世を風靡した、カール・デュ・プレルのスピリティズムを継承するものであることが判明した。第一に、「自動筆記」の方法において、第二に、「意識のピラミッド」とされる詩作装置の構造図において、デュ・プレルの影響は拭い難い。詩人は「霊媒」として、ほとんど生涯をかけて、聴きつつ言う者であろうとした。事実多くの著名な作品を残したが、詩人と霊媒と死者(神的なる者)の一体体験の至福の瞬間は、持続的に維持できるものではなく、絶えず分裂に苛まれた。かつては宗教的祭祀であった降霊術が、芸術の方法となったモデルネの時代の、それは宿命であったのだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リルケの作詩方法とスピリティスト、カール・デュ・プレルにおける自動筆記の方法論をテクストレベルで照合し、両者の類似性と差異を検討した。その結果、前者が後者の本質を継承していることが判明した。リルケのオカルティズムについての研究は、比較的新しい領域であるが、今回、リルケの自動筆記論と意識のピラミッド論の由来が解明できた。このことによって既存の、孤高の詩人リルケといった固定観念が打破され、リルケこそ内奥において時代と深く繋がっていたことが証明できた。
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