研究課題/領域番号 |
16K02576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
岡本 和子 明治大学, 文学部, 専任教授 (50407649)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ベルリン / 文学 / フォンターネ / グルク / グツコー / ベンヤミン / 近代 / 都市 / ドイツ文学 / パウル・グルク / ドイツの人びと / ドイツ / 独文学 |
研究成果の概要 |
本研究では、ロンドンやパリとは違い、民文化の象徴としての意味をながらくもたなかった都市ベルリンが、どのように文学に記述されていったのか、また、文学はどのようなベルリン像を構築しているのかを、グツコー、フォンターネ、グルクの作品を主たる分析対象として、明らかにした。ベルリンが文学の中心地となり始めた19世紀初頭の作家グツコーは、幼年時代を描くという方法で新都市ベルリンを文学に描こうと試み、19世紀後半には、フォンターネが都市を、封建的な閉鎖空間から外界へ向かう道として描いた。20世紀には、都市をもはや理想と現実との調和の場としてではなく、過酷な現実として描くグルクのような作家が登場する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドイツにおいてもベルリン文学の研究はまだ包括的には研究されておらず、個別作家についてのモノグラフィーがその大半を占める。本研究は、19世紀初めから20世紀までを射程に入れてベルリン文学の変遷を捉えようとという試みであり、今後、都市と文学という問題をドイツ文学から考察する際に大きな見取り図を提示するものである。また、推理小説風の舞台装置や非合理的なものを小説のなかに組み込むという斬新な手法を用いたグルクという作家は、ドイツにおいてもいまだ全集の刊行には至っていない。本研究が、その都市記述の先駆性を指摘することによって、本作家が都市文学の作家としてより注目されることが期待される。
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