研究課題/領域番号 |
16K02584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮 紀子 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (60335239)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | モンゴル時代 / 東西交流 / 大元ウルス / フレグ・ウルス / ラシードゥッディーン / 抄物 / ペルシア語 / 中国科学史 / モンゴル / 『集史』 / 『元史』 / ジョチ・ウルス / モンゴル時代史 / 中国科学 / イスラーム / 元典章 / 集史 / ムスリム / Il Milione |
研究成果の概要 |
『モンゴル時代の「知」の東西』を公刊した。上下2巻23編の論文から構成される。冒頭で13-14世紀のユーラシアの東西交流を具現する典籍・碑刻・細密画・工芸品・出土文物を約40件紹介し、ペルシア語古写本、ヨーロッパ諸語資料、漢籍、日本の年代記・日記・抄物の記述(学界未知の文献も含む)を以て詳細かつ平易な解説を施すことによって、研究全体の見取り図とした。中国の科学・歴史の分野での利用に供するべく、ペルシア語で書かれた資料――フレグ・ウルスの『イル・カン天文表』に関する記事、ラシードゥッディーンが14世紀初頭に著した『集史』『踪跡と生物』『珍貴の書』の中国に関わる記述について、詳細な訳注を呈示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
13-14世紀のモンゴル時代の人・モノ・情報の交流を、多言語文献・図像資料・出土文物等を用いて描出した。文献の質量では漢文とペルシア語資料群が並び立つが、両方をそれなりの水準で扱い一望しようとする研究は稀れである。東洋史研究者が『集史』『五族譜』以外のペルシア語資料やヨーロッパ諸語資料を原典・写本レヴェルから検討し、イラン学・西南アジア学の研究者が中国に関する記述の日本語訳注を提供することはほどんどないので、一定の価値があろう。日本の抄物の併用もいまのところ誰も行っていない。ラシードゥッディーンの農書や医学書の訳注は、こんごの中国科学史の研究の前進、何らかの作用を及ぼすことが期待できる。
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