研究課題/領域番号 |
16K02592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国文学
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
小松 謙 京都府立大学, 文学部, 教授 (00195843)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 水滸伝 / 白話文学 / 四大奇書 / 小説 / 版本 / 明代文学 / 出版 / 語彙 / 本文 / 金瓶梅 / 武官 / 校勘 / 金聖歎 / 白話 / 表記 |
研究成果の概要 |
『水滸伝』の主要版本全文について、第七十一回までの完全な本文校勘を行って、各版本の関係を明確にした。その結果を踏まえて、『水滸伝』の本文が変化していく過程を詳細に跡づけ、『水滸伝』成立と変化の過程を具体的に示すことによって、中国において近代的な「小説」というジャンルが成長し、自立していく過程を解明した。あわせて、本文がどのように書きかえられたかを精密に検討することにより、話し言葉の語彙を使用する白話文が洗練され、書き言葉として自立していく過程を調査し、現代中国語の基本となる白話文がどのようにして成立したかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国文学において最も重要な作品の一つである『水滸伝』の主要版本について第七十一回までの完全な全文校勘を実施し、継承関係を明らかにした。更にその結果を踏まえ、『水滸伝』本文が変化していく過程から、「小説」というジャンルがどのようにして成立したか、現代中国語の原型となる白話文がどのようにして発達したかを解明した。これは中国文学・中国語学に大きく貢献するのみならず、日本において『水滸伝』を重要な模範として読本というジャンルが成立し、それが近代日本文学の母体となっていること、そこで使用されている中国白話語彙が日本語に影響していることを考慮すれば、日本文学・語学研究に基礎を与える重要な業績といえる。
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