研究課題/領域番号 |
16K02595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国文学
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
稲垣 裕史 大阪大谷大学, 文学部, 准教授 (80748608)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遺民 / 生祭 / 王朝交替期 / 南宋 / 中国文学 |
研究成果の概要 |
本研究は、南宋末の読書人・王炎午の「文丞相を生祭するの文」に現われる、生者に死を勧める「生祭」という行為の源流を探り、王炎午の文章がどのように後代に読み継がれ、本来は隠逸者に近い形象であった「遺民」が、愛国主義者の形象を帯びてゆく過程を追ったものである。成果として、「生祭」の源流をたどり、読書人の文学的営みとして行う「生祭」には、必ず遊戯性が伴うことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の中国文学研究において、南宋から元に至る伝統詩文は研究者の少ない分野であり、中国本国での盛んな議論に遅れを取らないためにも開拓が急がれる。この時代の文学の継承に重要な役割を果たしたのが南宋の「遺民」である。従来の研究では、「遺民」像の歴史的変遷を考慮せず、愛国主義の立場から「遺民」の文学を論ずるのが常であった。本研究は、「遺民」の語義の変遷、および「遺民」に分類されるキャラクターの推移に注目し、従来の研究の前提であったナショナリズム的「遺民」イメージの成立過程を検証するのが目的である。また、近代以降を対象としたナショナリズム研究にも学際的影響を及ぼすことを目標としている。
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