研究課題/領域番号 |
16K02597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国文学
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
小笠原 淳 熊本学園大学, 外国語学部, 准教授 (70634137)
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研究協力者 |
黄 美娥
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 日本統治期台湾「蕃地」物語 / 台湾「蕃地」 / 台湾原住民表象 / 台湾蕃地 / テクスト分析 / 「原住民」表象の生成 / 「蕃地」資料のデータベース化 / 台湾文学 / 日本文学 / 比較文学 |
研究成果の概要 |
本研究は日本統治期台湾の山地原住民居住地「蕃地」を題材に描いた物語の生成に、「神話」「ロマンス」「文明と野蛮」という要素が密接に関係していることに注目し、その生成メカニズムを解明したものである。本研究成果は『東亞視域中的作家流徙與文學創生 國際學術工作坊』(武漢大学)をはじめ三つの国際学術研究会にて詳しく発表した。中村地平、真杉静枝らの戦前の「蕃地」テクストに顕著なロマンスのプロットが、戦後の坂口れい子のテクストにも意識的に取り込まれていることを解明し、また坂口、津島祐子の「蕃地」物語の生成過程には霧社事件の「暴力の記憶」、特に暴力と女性という歴史の暗部が炙り出されていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、先行研究にはない新たな視点から日本統治期台湾の「蕃地」物語の系譜の構造を読み解いた点、並びに新たな「蕃地」小説を発見したことである。この発見は「蕃地」の物語の系譜に書き加えることができ、今後の「蕃地」の物語の研究に寄与することができる。 本研究の社会的意義のひとつは、日本統治期台湾の「蕃地」における事件の記憶や人的交流の記憶を鮮明に留めている日台の「蕃地」の作品群を新たな視点から読み解くことで、当時の状況を正しく把握し、歴史上の日本と台湾原住民の交流の記憶や事件の記録、その光と影を風化させることなく後世に留めていくことにある。
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