研究課題/領域番号 |
16K02617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
中村 裕昭 弘前大学, 教育推進機構, 教授 (00559205)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 可能文 / 受動文 / モダリティー / 可能世界への量化 / 不連続構成素 / カテゴリー文法 / 可能世界に対する量化 / 意味論 / 様相論理 / 推論 / 自然演繹 / 形式意味論 / 統語論 / 可能構文 / 論理推論 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本語の可能文(動詞語幹に可能の助動詞「れる」「られる」が後続した複合動詞が投射する文とする)の統語的・意味的特性を考察することである。 日本語の可能文と受動文はともに語幹動詞に「れる」「られる」を付加された複合動詞を含む構文であり、統語的振る舞いも似て見えることから、その区別はときにあいまいとされ、どちらもヴォイスとして扱われた。本研究は、この両者が統語的にも意味的にも異なる特性を持つこと、統語的には難易文に近く、意味的にはモダリティーの概念の下、可能世界への量化の視点から記述されるべきであると主張した。可能世界への量化は、「~だけ」を伴う名詞句との量化の干渉から証拠を提出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、可能と受動を統語的・意味的に連続的に関係づける従来の研究とは全く反対に、両構文を明確に区別する統語的証拠を提出するとともに、統語的分析と形式的意味解釈を派生段階に関係づけるカテゴリー文法によるアプローチで明示的な分析を提出した。派生した意味解釈は可能世界に対する量化を定式化し、構文に生起する量化名詞句との作用域の相関を説明した。本研究の考察は伝統的な分析と大きく異なる斬新なものであり、自然言語の論理推論の研究にも大きく貢献するものである。研究成果は第一線の国際会議で発表され、英文で国際的な書籍に所収されている。
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