研究課題/領域番号 |
16K02620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 さとみ お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60347127)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 意味論 / 統語論 / 束縛 / wh要素 / 疑問文 / 文末助詞 / プロソディ / 形式意味論 / 中国語 / 対比 / 言語学 / 発話行為論 / 疑問助詞 / WH要素 / 類型論 |
研究成果の概要 |
本研究では、疑問標識と発話行為力を有する形態素の相互作用を考察した。具体的には、Groenendijk and Stockhof 1989の提案による分割意味論の枠組みを踏まえ、中国語の疑問文文末に現れる助詞とプロソディを分析した。分割意味論の枠組みでは、疑問文の意味は、話し手と聞き手が共有する知識状態を表現する可能世界集合の分割である。本研究では、中国語の文末助詞“ne”と“ma”は、可能世界集合を分割しないため、典型的な疑問標識とは言えないこと、プロソディが疑問文形成に寄与する程度は、英語ほど高くないことを明らかにし、プロソディを疑問標識と見なすことに対して再考の余地があることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疑問文の意味は、形式意味論の分析において、一つの定義しか与えられていない。だが、実際の言語は、多種多様な疑問形式を有することが普通である。本研究では、中国語の疑問文について、形式、文末助詞の種類、プロソディなどの多方面から分析を行い、分割意味論が提案するようなコアな疑問文と、発話行為力のレベルで分析すべき疑問文があることを指摘して、その違いについて考察した。本研究の学術的意義は、疑問文の意味について新たな知見を開いた点にあり、社会的意義としては、疑問文という言語の必要不可欠な文型を理解することで、言語の本質の一端が明らかになった点にある。
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