研究課題/領域番号 |
16K02647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
斎藤 衛 南山大学, 国際教養学部, 教授 (70186964)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 比較統語論 / 併合 / ラベル付け / フェイズ / 転送領域 / 移動現象 / 照応形束縛 / 文法格 / 極小主義アプローチ / ラベリング / Wh疑問文 / 非顕在的移動 / θ基準 / 項省略 / スクランブリング |
研究成果の概要 |
極小主義統語論において、ラベル付けは、名詞句の分布や移動の性質を説明し、理論の根幹をなす。この理論では、ラベル付けにおいて、一致が重要な役割を果たすことから、日本語のような一致を欠く言語においてどのようにラベル付けがなされるのかという問いが生じる。本研究では、日本語におけるラベル付けを検討し、文法格と述部屈折が弱主要部であるとする仮説を提示して、日本語の類型的特徴である多重主語、自由語順、項省略、語彙的複合動詞、そして連体修飾節と遊離数量詞の広範な分布に説明を与えた。また、この提案の帰結として、theta 規準の効果と日本語で観察される例外が、ともにラベル付けにより説明されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Chomsky (2013) の極小主義統語論は、二つの要素 a, b から構成素 g = {a, b} を形成する併合と g の性質を決定するラベル付けという二つの普遍的操作から成る。この限られた枠組みの中で、言語間変異を説明することが、現在の比較統語論の重要な研究テーマである。本研究は、日本語の主要な文法的特徴を普遍的なラベル付けのメカニズムによって説明し、日本語を言語理論の中に位置付けた。また、日本語の特徴に基づいて、theta 規準の効果をラベル付けから導くことを提案しており、日本語研究に基づく一般理論への貢献も行っている。
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