研究課題/領域番号 |
16K02674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 彰 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (90312438)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 談話分析 / メディア / 報道 / 災害 / メディア翻訳 / 災害報道 / 言語学 |
研究成果の概要 |
海外メディアでは原発事故の現場作業員が英雄視され、また彼らを積極的に賞賛する一方、国内メディアでは「ヒーロー/英雄」は地の文ではなく(広義の)直接引用内で使われ、そうでない場合はその英雄視に否定的であることがわかった。その理由として、戦後の日本におけるヒーロー観が変容した可能性を示唆した。 また、原発事故に関する米紙の原文記事とその和訳記事の相違点を分析した結果、原文記事が原発事故を戦争と捉え、また事故対応従事者(とその家族)の生々しい声や彼らが直面する危機を伝えるのに対し、その翻訳記事ではそのように捉えず、かつ彼らの声を伝えないことから、国内メディア同様に報道が抑制的であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原発事故に関する米紙の和訳記事において英語原文記事からの一貫した抑制的改変が行われたことから、国内メディアに対する指摘と同様、編集者/翻訳者の介入が、人々をパニックに陥れないようにという意図に動機付けられている可能性があることなど、災害報道の背後にある態度・規範・価値観などを露にすることができたのが学術的意義である。このことは、まだ緒についたばかりである、災害問題に関する人文学・社会科学の構築に資することになる。 また社会的意義としては、本研究を例示して、メディア情報を正しく読み解く力(メディア・リテラシー)の育成に役てるといった教育への貢献が挙げられる。
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