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構文ネットワークによるヴォイスの歴史的・対照言語学的記述研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02726
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 日本語学
研究機関名古屋大学

研究代表者

志波 彩子  名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (80570423)

研究協力者 青木 博史  
岡部 嘉幸  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
研究課題ステータス 完了 (2018年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード受身・可能・自発 / 自然発生 / ヴォイス / 中動態 / 視点 / 非情の受身 / ラレルの多義性 / 自動詞 / 自発・可能 / 構文 / ラレル / 構文ネットワーク / ラレル構文 / 可能 / 自発 / 受身 / ヴォイス体系 / 知覚動詞 / 構文タイプ / 非情主語受身構文 / 自発・可能構文
研究成果の概要

古代日本語に「ゴミが捨てられた」のような事態実現の局面を捉える無生物主語受身文が存在しなかったのは,西欧諸言語の中動態がこの種の受身文を発達させた領域に,日本語は自発・可能構文を中心に発達させたからであるとして,スペイン語の中動態と古代日本語のラル構文の体系を対照し,論証した。両言語は,「自然発生」の意味の自動詞から,動作主がいなければ起こり得ない事態をも自動詞的に捉える構文を同じように拡張させているが,スペイン語が「人によって事態が自然発生する(変化が実現する)」という意の受身を確立したのに対し,日本語は「人に対して事態が自然発生する/しない」という自発・可能を中心に確立した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は,独自の観点から古代語のラルが持つ受身(人主語),可能,自発,尊敬といった多義性にせまり,自然発生的自動詞文とのつながりと相違点を明らかにした。自然発生的自動詞文から再分析によって取り出されたラルは,人間に視点を置いて,「人間に対して行為が自然発生する(変化が実現する)」という述べ方で述べる構文であったと考えられる。このため,中立視点の非情主語受身文を持たなかった。こうしたラル構文の特性が,上のような多義の体系を作り出したと考えられる。

報告書

(4件)
  • 2018 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2017 実施状況報告書
  • 2016 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ラル構文によるヴォイス体系―非情の受身の類型が限られていた理由をめぐって2018

    • 著者名/発表者名
      志波彩子
    • 雑誌名

      バリエーションの中の日本語史

      巻: なし ページ: 175-195

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [雑誌論文] 受身と可能の交渉2018

    • 著者名/発表者名
      志波彩子
    • 雑誌名

      名古屋大学人文学研究論集

      巻: 1 ページ: 305-323

    • NAID

      120006466452

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書 2017 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 近代日本語における依存構文の発達 : 構文はどのように発生・発達・定着するのか2018

    • 著者名/発表者名
      志波彩子
    • 雑誌名

      国立国語研究所論集 = NINJAL Research Papers

      巻: 16 号: 16 ページ: 51-76

    • DOI

      10.15084/00001608

    • NAID

      120006532818

    • URL

      https://repository.ninjal.ac.jp/records/1624

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] スペイン語のse中動態における可能の意味2018

    • 著者名/発表者名
      志波彩子
    • 学会等名
      日本イスパニヤ学会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] ラル構文によるヴォイス体系―非情の受身はなぜ存在しなかったか―2016

    • 著者名/発表者名
      志波彩子
    • 学会等名
      研究発表会「バリエーションの中での日本語史」
    • 発表場所
      大阪大学
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 知覚動詞「見える」の構文タイプとネットワーク―知覚・思考・存在・様態・比喩・推定・仮想―」2016

    • 著者名/発表者名
      志波彩子
    • 学会等名
      日本語文法学会第17大会
    • 発表場所
      神戸学院大学
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書

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公開日: 2016-04-21   更新日: 2020-03-30  

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