研究課題/領域番号 |
16K02740
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
田島 優 明治大学, 法学部, 専任教授 (80207034)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 感謝表現 / 発想法 / 歴史的変遷 / 地理的分布 / 困惑 / 評価 / 配慮 / 歴史的変化 / 双方向の言語行動 / 近世上方 / オーキニ / 弘前 / メヤグ / 鶴岡 / アリガタイ / カブン / 佐渡 / 鶴岡市 / 仮名草子 / 冥加 / 近世 / 挨拶表現 / 別れの挨拶 / 江戸 / あいさつ表現 / 日本語史 / 方言分布 |
研究成果の概要 |
挨拶表現、特に感謝表現の発想法について、歴史的・地理的な観点から研究を進め、両者を関連させながら考察してきた。 発想法の歴史においては、中世末までは困惑の発想であり、その代表的な表現がカタジケナイである。近世からは、発想法が評価になってきた。その代表形がアリガタイである。発想法において大きな転換を起こしたのは、感謝の言語行動が双方向の言語行動になったことによる。それまでは上から下へは喜びや労いの表現が用いられていた。近世後期頃から相手への気遣いである配慮の発想法に変わってきた。その代表的な表現がキノドクやスミマセンである。地理的にも発想法の歴史が分布として現れていることが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感謝表現の歴史的な変化を辿ることにより、日本人の感謝に対する発想の変化を見ることができる。カタジケナイによる困惑の時代、アリガタイによる評価の時代、スミマセンによる相手への配慮の時代へと変化してきた。この変化は、それぞれの時代の社会構造や状況と大きく関わっているのである。困惑の時代は、身分差が大きく、感謝の行為は下からであった。評価の時代は、感謝の行為が双方向になり、下から上の行為を評価する必要が生じた。配慮の時代は、社会的に余裕ができ、相手を思い遣るようになった。現代は配慮の時代である。 方言に見られる様々な表現も、これのいずれかに属しており、決して特殊なものではないのである。
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