研究課題/領域番号 |
16K02743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
酒井 恵美子 中京大学, 国際教養学部, 教授 (00217754)
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研究分担者 |
中田 敏夫 愛知教育大学, その他部局等, 理事・副学長 (60145646)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 標準語の成立 / 明治期 / 国語教科書 / 植民地 / 内地 / 台湾総督府文書 / 図書審査会 / 標準語 / 日本語 / 国語教育 / 植民地教育 / 明治期教科書検定 / 日本語学 / 日本語史 / 近代 |
研究成果の概要 |
従来、標準語としてはかなり相違の多い国定第Ⅰ期国語読本の言語が6年後の国定第Ⅱ期になると、なぜ標準語との一致を見たのかが問題とされてきた。今回台湾統治資料の中にある台湾読本第Ⅰ期の図書審査審議記録とこの教科書の編纂者と彼らを巡る人々との関係を探ることにより、教科書執筆者はすでにいくつかの文体をかき分けていたこと、図書審査会でも標準語についてまだ厳格な一致がなかったことがわかった。つまり、編纂段階で文体を決定さえすれば、やや冒険的な国定第Ⅰ期の文体も標準語につながる第Ⅱ期の文体も可能だったのである。台湾での決定に影響を与えることができた上田万年、小川尚義についてはさらに考察が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、標準語成立を内地と植民地の双方から多面的に考察できたことは日本語史、日本語教育史の観点から意義が認めらよう。資料として用いた図書審査審議記録は内地では残っていない文献資料で、これを確定し公開できるのは日本語教育史だけでなく、他分野でも史料的意義があると考える。また、明治20年代30年代の教科書編纂者、執筆者が多彩な文体を書き分けていることや国定第Ⅰ期、台湾読本第Ⅰ期のような冒険的な文体から第Ⅱ期の現在につながる文体への改革と標準化の動きは同時代の体育教育や女子教育、制服を巡る服装史など当時の改革運動と相通じるところがあり、教育史、思想史、風俗史等の面から意義のあることではないかと思う。
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