研究課題/領域番号 |
16K02754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長野 明子 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90407883)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 派生形態論 / 文法化 / 生産性 / 語形成規則 / 言語接触 / 語彙素 / 形態理論 / 英語学 / 形容詞 / 借用 / 接辞 / 主要部 / 接頭辞 / 通時変化 |
研究成果の概要 |
本研究は、英語の例外的派生接辞の文法と歴史について研究した。接頭辞a-は、他の接頭辞と類をなさない。現代英語には、a- 以外で叙述専用形容詞を作り出すような接頭辞は存在しないからである。このようにある要素が他の大多数と違うふるまいを示す場合、その背景を理解することは、言語の規則とシステムの解明を目指す言語研究にとって重要な課題になる。成果は大きく3つある。第1に、前置詞が形容詞の形成に役立つことを示した。第2に、a-に関する従来の文法化分析は不十分なものであり、中英語期以降はむしろ語形成規則で新たな派生語が作られることを示した。第3に、日英語の言語接触におけるデータを開拓し、分析を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、例外性に目を向けることで逆にシステムの規則性を示したことにある。多くの言語理論は言語の規則的な側面に注目するが、語彙のようにそもそも固有性・個別性の高い領域では例外事象に注目することも有益な研究方法である。そのことを実証できた。本研究は、また、もともと計画していた、英語の中でのinとonの文法化の研究にとどまらず、これらの前置詞が日本語に借用されてやはり形容詞類を派生するようになったことにも目を向けた。そして、それが「語彙と言語接触」についての研究を開始する糸口となった。つまり、本研究は分野にとって新しい研究テーマを開拓することができたという点でも意義があるといえる。
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