研究課題/領域番号 |
16K03001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
太田 淳 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 准教授 (50634375)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 農業開発 / コーヒー / ココヤシ / スラウェシ / 蘭領東インド / 植民地経済 / ミナハサ / 植民地 / 商品作物 / 自給作物 / 貨幣経済 / 社会変容 / コプラ / 北スラウェシ / 小農 / インドネシア経済史 / 植民地期 |
研究成果の概要 |
蘭印経済史の先行研究は強制栽培制度とそれに引き続く自由主義経済を異質で断絶したものと捉える傾向が強く、そのため植民地期北スラウェシでも、強制栽培制度下のコーヒー生産とその後の時期に農民主導で行われたココヤシ生産は非常に断絶したものと考えられていた。それに対し本研究は、これらの産品の生産が密接に連関していたことを明らかにした。そのことは、コーヒー強制栽培制度が浸透したことによってコーヒー生産地でココナツへの需要が高まったこと、コーヒー輸送のために整備された道路や牛車がココナツ運搬にも利用されたこと、コーヒー栽培を契機に土地の個人所有が進み、後にココヤシ栽培にも利用されたことから確かめられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、今まで断絶したものと捉えられていた蘭領東インドの強制栽培制度と農民による自主的な輸出作物生産を、互いに強く連関するものと捉え直した。強制栽培制度の中にも農民が自らの利益拡大に努める機会があり、政府が主導して整備したインフラ(道路など)は、その後の農民主導の輸出作物生産にも大きく貢献した。政府による強制と農民の自主性を峻別する視点は、現実の把握のために有効ではない。歴史的に確かめられたことは、政府主導のインフラ整備は、民間の需要や起業家精神と結びついた時に高い効果を生むことである。政府による労働強制は現代では論外であるが、このような政府と民間の関係は現代社会にも有効であろう。
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