研究課題/領域番号 |
16K03015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
斎藤 夏来 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (20456627)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 宇喜多能家 / 五山文学 / 画像賛 / 九峰宗成 / 細川高国 / 浦上村宗 / 紅岸寺 / 池田継政 / 画像 / 賛 / 五山 / 岡山藩 / 仏教 / 儒教 |
研究成果の概要 |
宇喜多能家の画像賛について、原本を撮影し、得られた高精細・赤外線のデジタル画像をもって、改めて解読と検討を試みた。能家健在期の1524年に作成された画像賛は、出自と戦功との二つの部分からなる。出自については従来、百済王族の出身を思わせる記述が注目されてきたが、むしろ重要なのは、能家自身こそ新たな武士としての宇喜多氏の始祖だという主張である。戦功については、宇喜多能家のような地方勢力の働きが、細川高国による将軍足利義晴の擁立を実現させたという、中央の貴族・寺社の文書・日記にはみられない理解を含んでいる。画像賛という史料は、当事者の主観的事実、戦国政治史の機密的内容を含んでいるとの見通しを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、五山文学の一ジャンルに属する画像賛について、その史料的特質に関する展望を得たことである。一言で言えば、当事者の主観的な事実に属する機密的な事項を記している、ということである。類例の検討にむけて重要な足がかりを得られたと考える。 社会的意義は、国指定の重要文化財ではあるものの、文学、美術、史学のはざまにあって、十分に検討が加えられてこなかった画像賛を中心に、画像のもつ意味を明確にしたことである。あわせて、近世から現代にかけての伝来事情について、現段階で確認できる限りのことを確認し、画像の伝来に近世以来の民間人の多大な努力があったことも解明した。
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