研究課題/領域番号 |
16K03047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 則子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20335475)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 更年期障害 / 女医 / 産科 / 女性更年期障害 / 医療 / 更年期 / 江戸時代 |
研究成果の概要 |
江戸時代の医学も中国医学も、中高年女性の不定愁訴に対する知見や臨床例を、女性特有の病気としては記載しないことが確認できた。また一般の人々を対象にして書かれた養生書も、医学書同様に、女性の疾病として特別に論じられるのは、「血の道」というカテゴリーで生理不順を論じるにとどまる。 いっぽう売薬関係の史料では、女性の多様な不定愁訴に対応する薬が多く存在し、またそれに関する宣伝も多彩に展開していることが分かった。つまり、江戸時代において中高年女性の不定愁訴は医学の対象として特化されなかったが、売薬によるセルフメディケーションの対象として売薬業者のひとつの重要なマーケットであったことが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化社会を迎える現代、更年期障害治療は医学の大きな課題の一つと社会的にもみなされてきている。これに関連したトピックが新聞や雑誌に頻繁に取り上げられるようになって、人文社会科学系も巻き込んで、様々な研究成果が発信されているが、前近代の日本史学からのアプローチはまだなされていなかった。 本研究は現代社会の状況の前提として、江戸時代の中高年女性の病と治療の実態を史料に即して明らかにすることを通じて、女性特有の病気である血の道という病の認識が、医学よりも売薬業の市場原理の中で拡散されていったことを指摘した。
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