研究課題/領域番号 |
16K03073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 東京外国語大学 (2017-2018) 京都外国語大学 (2016) |
研究代表者 |
木村 暁 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (00625113)
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研究協力者 |
フダーイベルガノフ カーミルジャーン イチャン・カラ国立保護区博物館, 研究秘書
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中央アジア / イスラーム王権 / 正統性 / 宗派問題 / ブハラ / イラン人 / スンナ派 / シーア派 / ブハラ・アミール国 / 王権 / 宗派関係 / イスラーム |
研究成果の概要 |
本研究はブハラ・アミール国を主な事例として、近世の中央アジア・イスラーム王権がスンナ派正統主義のイデオロギーによっていかに支配を正統化したのか、また、近代以降ロシア帝国の保護統治下でその社会秩序にいかなる変化と動揺が生じたのかを一次史料から跡づけた。そこで生じた動揺は、王権による従来のシーア派禁制(イラン人のおこなうシーア派信仰の禁止・弾圧)が弛緩し、シーア派信仰がブハラのスンナ派社会内で公然化したことに起因していた。現代ウズベキスタンでもイラン人によるシーア派儀礼の公的実施が事実上禁止されている状況(フィールド調査を通じて確認)は、そのような歴史的経験に関係しているとの見通しが得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は近世・近代の中央アジア・イスラーム王権による支配の正統化のあり方の検討を通じて、宗派関係が政治権力の存続と社会秩序の維持に重要な意味をもつことを明らかにした。この成果は、ソ連解体後イスラーム復興のただなかにある中央アジア、とくにウズベキスタンの政治と宗教の理解にも少なからず寄与する。国民に信教の自由を保障する世俗国家ウズベキスタンにおいて、政府の管理統制下にあるムスリム宗務局がスンナ派の正統的な信仰実践を奨励する一方、シーア派住民の信仰の自由が制限される状況は一見いかにも不可解であるが、本研究で得られた知見は、この状況の背景を歴史的連続性の観点から説明することを可能にする。
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