研究課題/領域番号 |
16K03090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小笠原 弘幸 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
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研究協力者 |
沖 祐太郎
今井 宏平
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トルコ共和国 / オスマン帝国 / ナショナリズム / イスラム / 歴史認識 / 世俗化 / 国民形成 / 歴史教科書 / 国民統合 / 歴史叙述 / アタテュルク / イスラーム |
研究成果の概要 |
本研究によって明らかとなった、トルコ共和国における国民形成の性格は、つぎの二点に集約されうる。1)共和国初期において、非常に強権的な形の国民統合・国民意識の形成がなされた。さまざまな分野で、意図的にデザインされた「鋳型」に国民意識を押し込んで形成しようという試みがなされた。2)こうした強力な「上からの国民形成」にたいして、アタテュルクの死後より、揺り戻しが発生した。アタテュルク時代に規定された「国民の形」は、読み替えと解釈によって、徐々に変質していった。道徳教育に形を変えたイスラム的な教育の導入も、そうした「下からの」ネゴシエーションの成果のひとつである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
年々、中東・バルカンにおける地域大国として、トルコ共和国のプレゼンスは高まってきている。にもかかわらず、これまで、我が国ではトルコ共和国の歴史に焦点を当てたまとまった学術的研究は存在しなかった。トルコはなぜ、中東で唯一、安定している国民国家を形成しえたのかという問題、すなわち本研究による検討は、今後の中東の将来を見据えるための重要な材料を提供する。その意味でも、本書の持つインパクトは大きいものと考える。
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